この治療だらけの口腔内は、誰の……?
そうです。私です。
おそらく、日本で一番ひどい口腔内を持つ歯科衛生士ではないでしょうか(笑)。
CR、In、RCT、EXT、Bri、歯根破折。
すべて経験してきました。なぜここまで悪くなってしまったのでしょうか?
ひとつは、母がカリエスの多い口腔内だったことで幼児期には細菌感染していたことが挙げられます。
母は、「自分の子どもにはむし歯をつくりたくない!」と甘いものをかなり制限する人でした。
ところが小学生になった私はお友達の家でお菓子の味を覚え、おこづかいをもらうたびにこっそり買い食いするように……。
メインテナンスを受けるという概念がない時代だったので、痛みが出たら治療に行くだけ。
治療が痛くて痛くて強いトラウマになり、歯医者嫌いな子どもに成長してしまいました。
こんな私が歯科衛生士になろうと思ったのは、臨床検査技師だった母のススメです。
高校生の私に、医療関係で手に職をつけたらどうかと言ってくれました。
当時、歯科衛生士という職業を知らなかった私は
「かわいい白衣が着れるかな?」くらいの認識で専門学校に入学。
とてもまじめとは言えない学生生活をエンジョイし、歯科衛生士になったのです。
今となっては、本当に母に感謝。
歯科衛生士になっていなかったら、きっとすでに義歯が入っていたと思います。
治療の大切さ、予防の大切さ、治療の辛さ、継続して通院する大変さ、など。
患者さん目線で感じることができる経験だけは、今になってとても役立っています。