若い頃は、“一人前の歯科衛生士”という感覚が今とはだいぶ違っていました。
受付も、アシスタントも、予防も歯周治療も。
何でもできてこそ立派に仕事をこなしている感覚だったんです。
歯石を取っていたら急患がいらして、診療中の患者さんに「少しお待ちください」と言いながら
新規の方の保険証のコピーを取り、カルテをつくり、レントゲンの準備をする。
挙句の果てには歯石除去が途中になっていた方の時間が無くなってしまうという……。
そんな経験を、ずっとしてきたんです。
しかし現在は、本来の歯科衛生士の仕事である予防処置と歯周治療に集中できる環境で
仕事をさせていただいております。
プロフェッショナルな歯科助手さんがいるのでアシスタントにはほぼつきませんし、
むしろたまにアシストをするとバキュームの手が震えますね(笑)。
さらに補綴コンサルテーションはまたまたスペシャリストの受付スタッフが行なってくださいます。
私がするのは、コンサル前の初期治療のあいだに治療に対するモチベーションを上げていくこと。
当院はただむし歯を治して「はい、おしまい」ではなく、口腔内全体を健康にし、
その状態を維持するお手伝いがしたいと伝えるのです。
「私たちは患者さんを差別するのではなく、区別しているだけ」
バシッと言い切る受付のTさんの言葉は、本当に心強い。
遅刻魔の患者さんの管理まで徹底してくれているので、
各ポジションをスタッフが安心して仕事に取り組めます。
それぞれのスペシャリストたちがプロ意識を発揮するからこそ、医院は回っているんだなと実感する毎日です。