歯磨き粉選びの落とし穴②

なぜ丁寧に説明しても、おかしな歯磨き粉を買ってしまうのか……。

患者さんの立場になって考えないとなぁと思い、何人かの方へ「なぜ研磨剤入りを選んだのですか?」

と聞いてみました。

すると、大きくわけて3つの理由が見えてきたんです!

 

  1. 衛生士に勧められた歯磨き粉を歯科医院で買ってみたものの、 なくなったらわざわざ買いに 行くのが面倒になった。
  2. 単純にステインが気になって、白くしたかった。
  3. 研磨剤が入っていないと、やっぱり磨いた気にならない。

 

う~ん、なるほど。

ということは、これらの希望にかなった答えをきちんと用意しておけば患者さんも選び方を変えてくれるはず。

そこで、もう一度自分の歯磨き処方の仕方を見直すことにしました。

  1. メインテナンスで空いてしまう期間分の歯ブラシや歯磨き粉をきちんと処方して、ちゃんと使い続けてもらえる環境をつくる。
  2. 研磨剤で落とすと余計にステインが付きやすくなってしまうので、歯面を修復する『アパガードリナメル』を勧める。
    歯の白さを求めるのであれば、歯磨き粉に頼るのではなくホワイトニングを勧める。
  3. 研磨剤入りの歯磨き粉を使い続けると樹脂や補綴物を傷つけ、余計に細菌が繁殖してスッキリする時間が持続しないことを説明する。

すると、患者さんの反応にも変化が!

「ちゃんと私の口のことを考えて処方してくれていたんだね」とおっしゃる方ばかりになったのです!!

 

説明したのになんで使ってくれないんだろうと怒りすら感じていた自分が恥ずかしい……。

患者さんには、話を受け入れてくれるタイミングがどこかにあるんですよね。

そのタイミングをしっかり察知していないと、同じ過ちを繰り返してしまうことに気づけてよかったと思いました。