整腸作用のある食べものとその摂りかたのコツ

お腹の調子がよい、便秘知らず、いつもお腹がすっきりしている、健康体をイメージする表現ですよね。実際に、腸の環境が整っていると健康につながることは明らかです。
今回は、腸をきれいにすること、腸内細菌のバランスを整えることに効果のある代表的な食材についてまとめました。

食物繊維

便秘の予防や解消に効果的な食材を想像すると、食物繊維を多く含むごぼうなどの野菜が浮かぶのではないでしょうか。

食物繊維には、水に溶けるか溶けないかの性質に差があります。そしてその性質は、便通効果に対しても違いが出ます。
水溶性の食物繊維は、便の水分を増やして排便をスムーズする効果があります。
不溶性の食物繊維は、便のかさを増やして腸のぜんどう運動(尺取虫のように伸び縮みをしながら消化物を移動させる運動)を促す効果があります。

食材には両方の性質の食物繊維が含まれることが殆どですが、含有バランスが違います。例えば、サツマイモやレタスは不溶性の食物繊維の方が多く、海草や押麦は水溶性の食物繊維が多く含まれます。

バランスの良い理想的な摂り方は不溶性の食物繊維が2、水溶性の食物繊維が1の比率(2:1)と言われますが、食材には不溶性繊維を含む方が多いので、水溶性繊維を多く含む食材を意識して摂るようにすると良いでしょう。
特に、便秘気味でおなかがはるような感覚がある方は、水溶性の食物繊維を増やして食べることをお勧めします。また、水溶性の食物繊維は、腸内細菌のエサにもなるので積極的に摂りたい食材です。

おすすめの食材例(水溶性の食物繊維を多く含むもの)
アボカド・ごぼう・押麦・そば・インゲン豆・切り干し大根・にんじん・里芋
納豆・海草・オクラ・モロヘイヤ・なめこ・めかぶ・プルーンなど

乳酸菌

腸内細菌の善玉を増やしておなかの環境を整えるのに有効です。

市販のヨーグルトでもわかるように、乳酸菌はいろいろな種類があります。自分に合うものを試しながら見つけるのも良いかもしれません。その場合は、あれこれ違う種類の乳酸菌を日々変えて試すのではなく、2週間くらいは同じ製品を摂り続けて、体調やおなかの調子に変化が起きるか、自分との相性を確認してみてください。

尚、最近は、乳製品によるアレルギーも問題視されています。
乳糖不耐症の方や、カゼインアレルギーが心配な場合は、ヨーグルトやチーズなどを多く摂ることや毎日続けて摂ることは控えた方が良いでしょう。乳酸菌は漬物やキムチなどの他の発酵食品から摂ることもできます。

その他に、乳酸菌入り飲料やチョコレートなどもありますが、乳酸菌の効果を期待したとしても同時に含まれる糖質によるからだへ影響を考えると、腸を整えるために乳酸菌を摂るという目的ではなく嗜好品と捉えるべきかと個人的には思います。

発酵食品

発酵食品も、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれる食材です。

味噌や納豆・麹・ぬか漬け・発酵バター・キムチなどがあります。少量ずつですが、毎日摂りやすい整腸作用のある食材です。

その他 調味料など

オリゴ糖を含む調味料(味噌、醤油、清酒、甘味料、蜂蜜など)も少量で使いやすい食材です。

オリゴ糖は、胃や小腸で消化吸収されることなく大腸に達し、善玉菌であるビフィズス菌を増やしたり活動を活発することに役立ちます。
オリゴ糖と食物繊維を同時に摂れる食材には、きな粉、ごぼう、玉ねぎ、エシャロット、にんにく、バナナ、納豆などがあります。

オリーブオイルを便秘解消に摂ることも勧められています。便を出しやすくする潤滑剤になるのと小腸を刺激して排便を促す効果が期待できるようです。便秘を感じる場合に一日大さじ2杯くらいの量(成人の場合)が目安です。但し、油は一度に摂るとおなかを壊すこともあるので、少量に分けて摂った方がよいでしょう。

まとめ

整腸作用のある食品は、身近にたくさんあります。少しだけ意識すれば、毎日整腸作用のある食材を摂り入れることは難しくはないと感じます。
自分のおなかの調子をみながら、量や種類を選んで試してみることをお勧めします。

腸内細菌のバランスと量を良くするには、繊維を含む野菜・海草などだけでなく、腸に必要な栄養素の多く含まれる肉・魚などもまんべんなく食べることが理想です。食習慣も偏りを減らしてバランスをとることを意識してみてはいかがでしょうか。