長いお付き合いに込められた、大切なもの

小川由香里

さてさて、今回は前回の続きです。

18年のお付き合いがある患者さんが、大変な口腔トラブルを抱えてでも私について来てくださる理由について

お話しようと思います。

 

実はこの方、鍼灸指圧師をしていた私の父の患者さまです。

私がまだ歯科衛生士になりたての頃、「娘が歯医者に勤めているから」と紹介されたのでした。

当時はまだまだ未熟な私。ただ、父の診療への信頼はとても大きかったので、

その恩恵なのではないかと思っております。

 

患者さんが乗り越えられてきたトラブルを、「このような失敗をしないでほしい」と院内外の勉強会の資料に

使わせていただいたこともありましたね。

この方がすべてを快く受け入れてくださったおかげで、私の技術や知識は育ったようなもの。

そのきっかけをつくってくれた父は今年の5月に他界しましたが、

ご報告をした際にとても温かいお言葉をいただきました。

 

「あなたのお父さまは、赤ちゃんからご高齢まで誠実に丁寧に優しく治療してくださいました。その意思が、あなたにもちゃんと引き継がれていますよ」

 

ありがたくてありがたくて、涙が止まらない……!

長く、継続してお付き合いをするということは、歯科衛生士も患者さんもお互いに支え合えるということです。

いろいろな大切なことを気づかせていただけて、本当に感謝しています。