みなさんのクリニックではグルタラール消毒液、フルタラール消毒液、または過酢酸の種類の広域(高水準)消毒液は使用していますか?
もし、使用されているのであればそれは「何の器具を消毒していますか?」
この記事でわかること
高水準消毒液を扱う時のチェック項目
ここでは商品名を出しませんが、院内でこのような高水準(広域)消毒液を使用しているのであれば使用法が適切か早急に確認をしてくださいね。
使用環境の確認
⬜︎ 換気が十分に行える環境であるか(窓や換気扇が近くにあるか)
⬜︎ 蓋つきの浸漬容器で使用しているか
使用者の確認
⬜︎ 使用者はゴーグル、防水エプロン、マスク、ゴム手袋を使用しているか
高水準(広域)消毒液の毒性
消毒液なのに「毒性」なんて相矛盾するような表現ですがこの高水準消毒液には人体に対しての毒性が指摘されています。例えばグルタラールの水溶液と皮膚の接触により皮膚が変色を起こします。
グルタラールの蒸気は眼、呼吸器などの粘膜を刺激するので必ずゴーグルやマスクの着用が必須です。
健康被害も報告がされており、平成17年には厚生労働省より「医療機関におけるグルタルアルデヒドによる労働者の健康障害防止」についての通達が都道府県労働局長に向けて通達がされています。
高水準消毒液は何のための消毒液
高水準消毒液は医科で使用されるの「内視鏡」の消毒液です。内視鏡のような器材は体内に入れる器材ですがこちらは高圧蒸気滅菌を使用することができません。
内視鏡の他にも大きな洗濯機のような装置に内視鏡を入れ、高水準消毒液を用いて消毒が行われます。
浸漬時間が終了すると大量の水で消毒液をすすぎ、消毒が完了になります。薬液が残存すると内視鏡の場合は大腸炎等の消化管の炎症が認められる報告があります。
高水準消毒薬は広域消毒薬と呼ばれるようにその微生物スペクトルは広く、あらゆる菌やウイルスに有効とされています。
さらに金属やゴム、プラスチックへの腐食性がなく、有機物による効力低下が小さいためにグルタラール製剤の使用がさまざなな用途において有用とされるところです。
しかし、先述しましたように取り扱いも細心の注意をはらわなければなりません。
薬液の残存をさせないように大量の水でのすすぎを行うことが必須です。歯科領域で使用する場合は薬液の残存は口腔粘膜に影響を与えるかもしれないので気をつけましょう。
歯科では何の消毒に使用するの?
現在、高水準消毒薬を使用しているクリニックはその消毒薬で何を消毒をしていますか?
交差感染の予防にはしっかりとした消毒が必須になりますが、その器具に対しての第一選択の消毒法でしょうか?使用後は大量の水でのすすぎを行っていますか?薬液の残存は口腔粘膜に影響を与えるかもしれません。
まとめ
高水準消毒液は芽胞レベルでの消毒が可能ですが取り扱いにはとても注意が必要です。
使用されているクリニックは今一度、適切な取り扱いをしているか再確認を行なってくださいね。ほとんどの歯科医院には高圧蒸気滅菌器がありますよね?
器具が滅菌できるものであれば高圧蒸気滅菌で行う方法が一番安価で一番安全な方法になります。
一般社団法人DHマネジメント協会
歯科衛生士 第2種滅菌技師 長谷川雅代
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