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感染管理の知識がインプラントオペに役立つ3つの理由

歯科医院で働く多くの医療従事者のみなさんは、患者さんのため、臨床で働く自分達のためにさまざまな工夫をして感染管理の維持に励んでいます。日々の診療を円滑に安全におこなうには、感染管理はなくてはならないものです。大きな施設の病院でない限り、一般の診療所では感染管理専門のスタッフが在住していることは少ないです。

歯科衛生士や歯科助手が日常の診療するいっぽう、器材の再生処理もしています。また、歯科医院はカリエス処置から義歯などの補綴処置、先生によっては、専門処置を院内でおこなっています。その中でもインプラント処置は感染管理の知識がとても重要です。感染管理の知識がインプラントオペに役立つ3つの理由について解説します。

理由1 清潔な環境でインプラントオペができる

インプラントとは生体内に埋め込まれる器具の総称をインプラントといいます。歯科領域だけでなく、例えば整形外科の分野では人工関節、心臓血管の分野ではペースメーカー、顔面損傷による顔面修復もインプラントです。これらは病院の設備の整ったオペ室で処置することがほとんどではないでしょうか。

しかし、歯科のインプラントにおいては、顎骨内に人工歯根を埋め込む処置に専用のオペ室をもつ医院は少なく、一般診療で使用しているユニットでオペをする医院が多いのが現状です。

普段の診療室を限りなく清潔な環境に整えるためにはどうしたらよいか。

診療室内での清潔域と不潔域の導線をどのように考えればいいのか。

普段の診療で使用している器材をどのように整理すれば清潔環境をつくることができるか。

感染管理の知識を持つことで、迷うことなく適切な清潔環境をつくることができるようになります。

インプラント治療を選択された患者さんのためにも良い環境で処置を受けてもらえますね。

感染管理の知識がインプラントオペに役立つ3つの理由

理由2 院内に清潔域を作ることができる

インプラントの埋入処置は普段の診療以上に清潔域が求められます。理由は「体内に器具を埋め込む」処置をするからです。組織を切開し、体内の骨や組織がむき出しになっている状態でのインプラントオペです。不潔な環境や器具は感染を引き起こすリスクを高める要因です。

すべての器具を滅菌し、その器具を配置する場所や、術者自身の白衣が感染源にならないように配慮をします。そのために院内に清潔域という「無菌エリア」をつくることが必要です。インプラント治療に対応した、院内の清潔域確保の方法があります。

病院のオペ室レベルまでは難しいところがありますが、それでもメンバーが知識を共有して協力すれば「清潔域」を作ることは可能です。

感染管理の知識を知ることにより、一般診療所で清潔域を作ることができるようになります。

理由3 在庫管理が明確になり院内の整理整頓ができる

インプラントオペではディスポーザブル製品や、多くの外科器具を一度に使用します。そのため、オペが決定すると院内のメンバーで協力し、準備をおこないます。

どのように清潔域を確保し、そのためには何が必要か。また、オペ時に必要な個人防護具、手指衛生のための消毒薬、必要な外科器具や埋入予定のインプラントに合わせたインプラントドリルの準備など、インプラントオペ当日を迎える前までにおこなう準備は多くあります。

感染管理の知識がインプラントオペに役立つ理由として、発注ミスが少なくなり、在庫管理がしやすくなります。なぜならオペに必要なものが感染管理によってはっきりとシステム化できるからです。

システム化することにより、必要数も把握できるので無駄な発注もなくなり、経費の削減や、院内の整理整頓ができるようになります。

業種・経験に関係なく感染管理はできる

感染管理をおこなうには、職種や臨床における医療の経験値は関係ありません。

必要なのは正しい感染管理の知識と、安全で安心な医療を提供しようという気持ちです。

臨床経験が長くても、感染管理の知識のアップデートがない場合は、スタンダードプリコーションがワールドスタンダードだということを、知らないで過ごしている可能性さえあります。

いっぽう、臨床経験が短くても、知識のアップデートがあり、感染管理を意識し、いつも最善の対応を心がけているのであれば臨床経験は必要ありません。

これは歯科衛生士だけではなく、歯科助手・受付も同様です。感染管理の知識と実践できる行動力があれば職種や経験値は問わないのです。

一般診療の感染管理はもちろん、インプラントオペに対応できる感染管理の知識を習得することで自分の強みにもなるのです。

まとめ

インプラント治療は感染管理を院内メンバーで行う、チーム医療の一つです。

日々の診療の感染管理に加え、インプラントオペでの感染管理をサポートしてくれるメンバーが院内にいると、安心してインプラント処置をおこなうことができます。それは、患者さんへの信頼にもつながります。

日々の診療での感染管理ができるのであればインプラントの感染管理も難しいことではありません。職種や経験に関係なく、感染管理は誰にでもできるので、自分自身の強みにするチャンスでもあるのです。

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長谷川雅代

長谷川雅代

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歯科衛生士/DHマネジメント専属インストラクター
「自ら積極的に清潔を促す行動ができる歯科衛生士仲間を増やしたい」の思いで院内の感染管理の周知のために活動中。
年に数回の講座を担当し、訪問セミナーも行う。
日本医療機器学会 第二種滅菌技士
日本アジア口腔保健支援機構 第二種歯科感染管理者の資格を所持。

歯科衛生士として臨床も続け、感染管理を広める活動の傍ら、スラッシュキャリアとしてウェディングブーケデザイナーとしても活動中。

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