滅菌バッグは器材の保管には欠かせない医療現場ではなくてはならないものですね。滅菌バッグを製造している企業は大変優れた技術をもって滅菌バッグを製造されています。滅菌時には滅菌剤をいかに袋の中に浸透させ、滅菌完了後は微生物が入らないように遮断を行えるような「仕掛け」をバッグにしています。「浸透と遮断」という正反対の作用を両立できる技術はすごいですね。
この記事でわかること
滅菌バッグとは
滅菌バッグは、滅菌用包材の条件である、「確実な滅菌・長期の保存」を満たすために、特殊抄造された原紙を使用した滅菌袋のことを言います。
滅菌後の有効期限
「浸透と遮断」という正反対の作用のある滅菌バッグですが、滅菌物にはどのような包装形態であっても「有効期限」と言われているものがあります。滅菌バッグでおよそ、1~6か月になります。(滅菌状態、保管状態で幅があります)ディスポーザブルの滅菌済み製品にも必ず使用期限(滅菌期限)が記載されています。製品によっては滅菌状態等でもう少し長期間設定されている場合もあります。
院内の滅菌物に有効期限を設定する
滅菌バックに限らず、滅菌物には期限が存在することを知る必要があります。一般的に包装形態によって有効期限が決められています。
滅菌物の有効期限の設定方法
滅菌物の有効期限の決め方には2つの方法があります。
①時間的依存型無菌性保持
先述した包装形態によるものは「時間的依存型無菌性保持」になります。しかし、滅菌時の状態や保管の状態によって大きく影響を受けるので時間だけで区切りをするのは難しいとされてきています。
②事象依存型無菌性保持
各クリニックの責任において包装材料や保管場所、日々の取り扱いの状況によって有効期限を設ける事象依存型無菌性保持の考えを取り入れるところもあります。
院内での有効期限の決め方
基本セットの場合は滅菌バッグに入れて毎回の滅菌再生処理を行っていても、おそらく器材の回転は良いと思われますので、時間依存型無菌性保持の方法よりも滅菌バッグの破損、汚染などを基準に有効期限を決める「事象依存型無菌性保持」により有効期限を決めると良いでしょう。しかし、特殊な外科器材などそれほど頻繁に使用しない器材の場合は、保管場所を考慮するのはもちろんですが、「いつの滅菌だろう?」と思わなくても良いように滅菌時には滅菌の日付を滅菌バッグの余白部分に記入し、時間依存型の方法で有効期限を設けることも必要です。
まとめ
滅菌されたものは「有効期限」が存在することを院内で再確認をしましょう。保管場所や、包装状態、使用頻度によって有効期限が変わってきますので院内のマニュアルで器材別に有効期限のルールを決めておくことが必要ですね。
一般社団法人DHマネジメント協会
歯科衛生士 第2種滅菌技士 長谷川雅代
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