スタンダードプリコーション

消毒か滅菌か迷ったら?スポルディングの分類で解決!

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歯科の器材はとても多くの種類があります。毎日の診療でこれほどの多くの器材を使い分けている診療科はあるのでしょうか?他科の器材量との差はどれぐらいあるのでしょう?

そういった中、毎日診療をしていて「これは消毒?滅菌?」と迷うことはありませんか?

迷ったら判断する方法がありますので参考にしてください。

スポルディングの分類

スポルディングの分類という分類法があります。これはアメリカのCDC(米国疾患防疫センター)が公表しているガイドラインで医科でも広く使用されている分類法になります。

対象物をクリティカル/セミクリティカル、ノンクリティカルに分類し、感染症の有無に関係なく滅菌なのか消毒なのかを指標として指し示してくれるものです。

クリティカル(無菌部位、血管内に挿入されるもの)

歯科では顎骨内(上下顎)歯周ポケットや観血処置適応部位になります。粘膜を通過して直接骨に接触する又は組織に刺入される器具です。観血的治療、観血的治療に準ずる治療に使用する器具をさします。

具体的な器材としてインプラント器材、外科用器材、バー、ハンドピース、根管治療用品、プローブ、スケーラーなどになり、滅菌が必要になります。

クリティカル

セミクリティカル(粘膜組織及び損傷のある皮膚に触れるもの)

歯科では舌や歯肉や頬粘膜に触れるものになります。つまりは傷のない正常な粘膜に接するが骨には接触しない、又は組織に刺入しない器具。血液・血液の混入した唾液によって汚染された、非観血的な治療に使用する器具になります。

例えば印象用トレー、咬合紙ホルダー、プライヤー類などになります。

書籍によっては高水準消毒または中水準消毒と記されていますが、高水準消毒はグルタラ-ル等の消毒剤の利用は極力回避し、ウォッシャーディスインフェクター(WD)での熱水消毒(93℃・10分)を行うことが推奨されます。WD未使用の場合は滅菌可能な素材であれば高圧蒸気滅菌を行う方が良いです。

セミクリ

ノンクリティカル(損傷のない健常な皮膚に触れるもの)

主に口腔外になります。正常な皮膚のみに接する器具及び環境表面になります。損傷のない皮膚に接するものですのでユニットや光重合照射器、レントゲンコーンや体温計、血圧計などです。

洗浄のみ、或いは低水準消毒を行います。しかし、ユニットについては高頻度に術者の手指が接触し、汚染が懸念される場所(例えばバキュームのグリップ部分や術者側のユニット操作パネル、ライトのハンドルなど)は血液・血液を含んだ唾液の付着の可能性がありますので低水準消毒では不足する場合もありますので考慮が必要です。

環境表面はまずは掃除です。

ノンクリ

歯科器材の選別はややこしい

歯科器材をスポルディングの分類に沿って滅菌か消毒かを考える時に頭を混乱させるのが

歯科治療は常に唾液と血液の中で治療行為を行いますのでスタンダードプリコーションを

考えるとどれもこれも滅菌が必要であるように思えてくるのです。

滅菌か消毒かを迷ったら、現状よりもその器材が次はクリティカル領域で使用されるものなのかセミクリティカル領域の器材なのかを判断します。

それによって対応をすれば良いです。

治療後写真

まとめ

歯科診療は常に体液暴露が起こっているので、医療器具のどれもが滅菌が必要ではないかと思ってしまうことが器材処理の判断を迷わせるところだと思います。過剰になっても不足でもそれぞれにマイナス面が出てきます。クリニックで統一した判断基準を持っていると器材処理がスムーズになります。

 

一般社団法人DHマネジメント協会
歯科衛生士 第2種滅菌技師 長谷川雅代

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長谷川雅代

長谷川雅代

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歯科衛生士/DHマネジメント専属インストラクター
「自ら積極的に清潔を促す行動ができる歯科衛生士仲間を増やしたい」の思いで院内の感染管理の周知のために活動中。
年に数回の講座を担当し、訪問セミナーも行う。
日本医療機器学会 第二種滅菌技士
日本アジア口腔保健支援機構 第二種歯科感染管理者の資格を所持。

歯科衛生士として臨床も続け、感染管理を広める活動の傍ら、スラッシュキャリアとしてウェディングブーケデザイナーとしても活動中。

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