マネジメント

人を育てる時の大切な3つのポイント

歯科に限らず、人材育成はどの業種でも注目されていて、優れた人材がいなければ事業の発展はなく、優れた人材を育てるためには、人材育成のシステムが必要です。そして、人材育成をするには、優れた指導者が必要なのです。

ほとんどの医院で「明日から新人が入るから教えといて。」とか「とりあえず、今の業務を教えればいいよ。」てきな、何をどこからどうしていいのかわからない状況で任せるという名の丸投げの状態でした。皆さんも経験があると思います。

「人を育てる」と言葉だけを取るととても上から目線のように感じるかもしれません。だけど、人を育てることで、多くの患者さんの健康を守れることも事実なのです。

人を育てる時の大切なポイント

人が育つ環境には、「教育体制」としてマニュアルも必要ですが、マニュアルだけがあっても機能しないこともわかると思います。

人が育つ環境に必要なのは、

① 教え方

② 信頼

③ 仲間

この3つに要約されます。

① 教育体制(教え方)

医院へ新入社員が入社したら当日から試用期間までにいつ、誰が、何を、どのように説明し、教育していくのかが明確にある状態です。

・医院の理念
・医院の就業規則
・医療人としての基礎
・教育のカリキュラム
・評価制度
・目標設定などです。

これは、ようやく入社した人材を医院の考えに基づいた人財に育成していくための体制です。長く勤めてほしいからこそ医院の考えを明確にし、その理念に向かって全員が進んでいる状態が理想です。教え方では、目標達成に向けた無駄のない計画的な指導が必要です。

また、教え方は教わる側が育つか育たないか大きく影響します。

学校教育でも同じ授業内容だとしても説明の分かりやすい、記憶に残りやすい授業展開ができる先生の授業はやはり人気です。教え方一つで、育つものも育たない状況にしてしまうこともあるので、相手にあった教え方を創意工夫することが大切です。

② 信頼関係

信頼は、先輩との関係や院長との関係相互的な信頼関係が求められます。説明のわかりにくい教え方では、「何を言っているかわからない」と相手との信頼関係も構築しづらくなります。

また、信頼できない先輩がいる職場では仕事を頑張ろうと、この歯科医院で成長していきたいという意欲も無くなってしまうでしょう。信頼しあえるメンバーになるためにも、先輩の関わり方がとても大切なのです。人を変えることはできません。まずはリーダーであるあなたが変わることからです。

③ 仲間意識

仲間意識は、どんなに辛いときでも励まし合い、お互いの成果を喜び合える関係性であることです。育てる立場であっても、仲間の意識を持つことで同じ目標に向かって進めるメンバーであり続けることが必要です。

あの先輩は、「医院側の人だから」「経営側の人だから」そのように感じられる関係性では、信頼も仲間意識も生まれません。教える側のあなた自身に仲間意識がないとその気持ちはすぐに見破られこれもまた、後輩から相談や質問がこない環境を作ってしまいます。

リーダーは、育てる側であったとしても、患者を診るという視点では新人もベテランも同じ志しを持って真摯に向き合っています。また、教える側であっても教わる側であっても同じ、従業員に変わりはありません。仲間と一緒に成長していく姿勢を大切にしてください。

まとめ

教育体制、信頼関係、仲間意識、この3つを感度良く整えることができる人は、メンバーの年齢や性格、過去の経験に左右されることなく、スタッフ育成をすることができるようになると考えています。どれか一つが欠けてしまい、どこかで補おうとしても、やはりバランスは崩れてしまいます。今、人材育成がうまく行っていない、スタッフがすぐに辞めてしまうという医院は、3つのバランスが取れているかどうか、自分の教え方の見直しをするのもいいですね。

 

一般社団法人DHマネジメント協会
歯科衛生士 塚本千草

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塚本 千草

塚本 千草

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歯科衛生士のためのプラットフォーム「dhroom」設立者。
一般社団法人DHマネジメント協会 の代表として、「人材育成ができる歯科衛生士が歯科業界を変える」を理念に、歯科衛生士の仕事が好きで働き続けたい思いを実現するために日々活動中

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