最近の若い子はすぐに帰りたがるんです。ちょっと残って、勉強とかちょっと残って、カンファレンスとか本当に嫌な顔をするし早く帰りたいと主張する。 みなさんの医院ではどうでしょうか?
「お金」より「時間」
公益社団法人日本生産性本部の2016年度新入社員の意識調査では、残業が少なく、平日でも自分の時間が持てて趣味などに時間を使える職場がいいという回答が、過去最高の86.3%だったといいます。 私の頃は、どちらかというと仕事が終わってからが本番が合言葉で、毎日残って練習したり、カルテを書いたりしていたけれど、今の現状では「早く帰りたい」「自分の時間がほしい」が圧倒的に多いことが分かります。
昇級は望まないし、もっと自分の時間がほしい。 つまりは、お金や地位よりも「時間」。若い世代はそう考えている。こんな質問をしてみたらどうでしょう。すごく実績をあげたとして、報酬として 「お金」と「時間(休み)」どっちが欲しい?
時間の使い方
報酬はお金より時間自分の時間を作って何をしたいのか?ゆっくりゲームをしたりYoutubeをみたりしたいんです。これが現状です。自分には仕事を通じて叶えたい夢があるか? この質問には37.8%があると回答していてこれは過去最低の数字だそうです。世の中は残業ゼロ、完全週休2日、有給も権利、そのような取り組みを行っています。なぜかというと、人材が不足しているからです。歯科に限った話ではなく、日本の人口が減少しているため若い世代が入社してこない。そんな中、古いしきたりを振りかざしていると、若い人たちは直ぐに辞めてしまうのです。時代とともに、組織のあり方も変えていくことが求められているのかもしれませんね。
電話にでれない新人DH
組織のあり方も時代とともに変化を求められている。これを機会に、残業のない環境、育つ環境、休める環境を、自ら整える歯科衛生士になりませんか? 少し考えると分かるのですが、20年前くらいから携帯電話が普及してきている。ということは、自宅で電話に出ることも少なくなっていることが分かりますね。 つまり、携帯電話にかかってくる電話はすべて知人からの電話です。 他人からかかってきた電話にでて対応したことがない若者が圧倒的に多いのです。
「あの子、電話対応もろくにできない」「電話のマナーもわかってない」
それは、そうです。 だって、電話にでたことがないんです。ましてや、変な電話がかかってくるから、出ないようにとか、出てもすぐに切りなさいと教えられているんです。だから、電話に出ること自体がとっても恐ろしいことに感じてる新人DHも多いんです。 残念ながら、歯科衛生士の学校教育ではマナーは教えますが、多くの授業は、国家試験に合格するための授業です。だから、一から丁寧に教える必要があるんです。 今はそういう時代なのです。
挨拶ができない新人DH
「自分から挨拶をしなさい」「なんで挨拶ができないの?」「そのくらい学校で習ったでしょう」 確かに、挨拶の大切さは学校で教えています。しかし、どうでしょう。小さな頃から他人に話しかけられても答えてはいけませんよ。目を合わせたりしないですぐに帰って来なさい。そう、教えられて育ってきています。その傾向はこれからますます増え、ゆとり世代とかではなく、そういう常識の中で育っているという現状がありますよね。だから、なぜ、自分から挨拶をしないといけないのか分からないのです。
また、 「ほら!患者さんとちょっとは世間話しをして、信頼関係を築きないさいよ」 とか「信頼つくりは自己開示が大事。まずは自分のことを話してみて」と、急に言われても、世間話しをしたこともないし、他人に自分のことをペラペラと話してはいけないと教えられてきているのだからどうしたら良いのか分からない。 だから、すぐに、ブラッシング指導をしたり何も話さず、いきなり歯石除去を始めたりするのです。 そう。仕方がないことなのです。
そう思いませんか?
相手に合わせた人材育成
でもね。 こう考えてみてください。 歯科医院でもipadを使用してアポイントを取ったり、歯周組織検査の入力をしたり患者さんへの資料を印刷したりと情報技術の発達の中で、新人DHには、得意分野ともいえるのではないでしょうか? 少しレクチャーするだけですぐに覚えて使いこなしている。義務教育でもパソコンの授業があったり、専門学校でも論文作成でパソコンを使います。エクセルやワードの使い方もある程度理解をしています。 そういう時代に生まれているからです。LINEのグループは当たり前で、Talk NoteやChat Workを導入している医院もあります。
一方で、20年前、学校にパソコンもなかった時代の私たち(40歳以降)「パソコンが苦手です」というベテラン歯科衛生士も多いのではないでしょうか?ipadの使い方や印刷の仕方をレクチャーしてもなかなか覚えてもらえない。歯科衛生士としての技術はベテランだけれども、パソコンを使用した資料作りは全くの苦手。
そんななか、新人DHは、サクサクっと資料を作れる。そういうこともあります。
歯科衛生士は専門的な知識や技術に加え、それを更に魅力的にするための資料作りやシステム作りなど、IOTを駆使できることが求められています。これもまた現代の良いところでもあります。
まとめ
新人DHの良いところを伸ばしながら、ひとつひとつ丁寧に人材育成を進めていくことで、相手の良い面をみることができるようになるのではないでしょうか。