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手荒れは大敵!手指衛生のためにできること

みなさんは手荒れをおこしていませんか?手荒れのない手指は医療人としての感染管理にも必須です。手荒れのない手指は女性としても素敵だと思います。今回は手指衛生と手荒れについてまとめました。ぜひ参考にしてください。

手のひらの皮膚の特徴

手のひらは表皮の角質層が厚くて皮膚の厚いので物をつかむことに適していますし、防御力も高いです。皮脂腺がないです手のひらには発毛がありませんよね。つまりは皮脂分泌がないのが特徴です。手に汗はかきますから汗腺はあるのはお分かりですよね。

手の甲の皮膚の特徴

手のひらとの違いは手のひらに比べて皮膚が相対性に薄いです。角質層は比較的に厚くさらに発毛があり、皮膚静脈やリンパ管が非常に発達しています。ですので手のひらよりも手の甲の方が外傷や炎症で腫れやすくなります。皮脂腺はありますが顔などと比べると少ない特徴があります。

手荒れの原因を考える

手のひらと手の甲では構造や特徴が異なるものの、角層が厚いこと、皮脂腺が少ないことは共通です。乾燥肌になりやすいのです。手の皮膚は角質層が顔より厚く、外的刺激に強いのですが皮脂があまり出ないため、一度乾燥すると皮脂がなかなか回復しません。

私達、歯科衛生士は繰り返す手洗いと手指消毒の刺激によって皮脂が過剰に取れてしまうことがおこっている可能性が高くなります。さらに気温や湿度の低下も関わってきます。寒い冬は皮膚の新陳代謝が低下して汗をかく機会が減ります。これが冬に手荒れを起こしやすい原因です。

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手荒れと感染リスク

病原微生物への暴露
手荒れを起こしている手指は角層のバリア機能がほとんど失われている状態です。手指消毒液がしみて手指衛生をすることがおろそかになってしまうと、病原微生物への暴露のリスクが高くなります。

黄色ブドウ球菌などの病原微生物の定着
さらに手荒れを起こしている手指は黄色ブドウ球菌などの病原微生物が定着している可能性もあるので健常の人の手に比べて患者への感染リスクを増加させる危険性があります。

これらの問題を回避するためには日常的にハンドケアを行い、手荒れを回避することが感染対策にもなります。CDCのガイドラインの中にもハンドケアの重要性は書かれています。

手荒れをおこさないためにできること

臨床の現場で手荒れをおこさないために気をつけたいこととして、
①手洗い時に温水を利用しない
②石鹸を十分に洗い流す
③水分をペーパータオルでしっかりと拭き取る
ことです。これらの3つのことを意識するだけでも手荒れ予防につながります。

また、手荒れの予防には日頃からハンドケアをしっかりとすることが大切です。ハンドケア製品には保護膜を形成する皮膚保護剤と皮膚を保湿する保湿剤の二種類があります。

handcare

医療現場でハンドケア製品を選ぶときに気をつけること
・使用後にべとつかず作業に支障をきたさないこと
・手指消毒剤の残留抗菌作用に影響を与えないこと
・グローブの成分に影響を与えないこと

まとめ

手荒れは手指衛生を妨げるこにもなります。手荒れを起こす原因は色々な要因が重なって起こります。手荒れを起こさないようにハンドケア製品の使用も必要ですが、まずは手荒れの原因になりそうな条件を排除するように心がけることが必要です。そして速乾性アルコール製剤は保湿剤を含む製品を選択するなどの工夫も必要になります。手荒れのないスベスベな手肌は手指衛生にも関与します。美しい手指で過ごせるようにしましょう。

 

一般社団法人DHマネジメント協会
歯科衛生士 第2種滅菌技士 長谷川雅代

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長谷川雅代

長谷川雅代

投稿者の記事一覧

歯科衛生士/DHマネジメント専属インストラクター
「自ら積極的に清潔を促す行動ができる歯科衛生士仲間を増やしたい」の思いで院内の感染管理の周知のために活動中。
年に数回の講座を担当し、訪問セミナーも行う。
日本医療機器学会 第二種滅菌技士
日本アジア口腔保健支援機構 第一種歯科感染管理者の資格を所持。

歯科衛生士として臨床も続け、感染管理を広める活動の傍ら、スラッシュキャリアとしてウェディングブーケデザイナーとしても活動中。

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