内閣府の取り組みとしてもワーク・ライフ・バランスが重要視されています。歯科医院における「仕事のバランス」について考えてみました。
この記事でわかること
ワーク・ライフ・バランスとは?
ワークライフバランスを一言でいうなら「生活と仕事の調和」です。ワーク・ライフ・バランスが特に注目されるようになったのは内閣が働き方改革の実施を宣言し、日本人の働き方が見直されるようになってからです。生活と仕事は、互いに相反するものではなく生活の充実によって仕事が充実し、うまく進み、仕事がうまくいから、生活も充実するといった、生活と仕事の「相乗効果」のことを言います。そのため企業で取り入れられたのが、仕事と生活の充実を図るために、育児休暇や、短時間勤務制度、フレックスタイム制度、在宅勤務、福利厚生の充実などです。
歯科業界にも、働き方改革が影響し、育児休暇や短時間勤務制度を導入している医院も増えています。
仕事と生活の4タイプ
仕事と生活のあり方には4つのタイプがあると言われています。近年、重要視されているのは、ライフ・ワーク・バランスで、その他には、ワーク・ライフ・ブレンドという働き方も注目されています。働き方には、大切なことが2つあり、どんな生活をしたいかという「生活軸」の観点と、どんな仕事をしたいか、仕事でどんなやりがいを見出したいかという「仕事軸」の観点です。
ライフ・ワーク・バランス
ワーク・ライフ・ブレンド
ワーク・ライフ・スプリット
ワーク・ライフ・メシー
ワーク・ライフ・バランス
仕事も生活もきちんとやりたい、仕事も充実してるから生活も充実する。 生活が充実しているから仕事も頑張れるバランスが取れている働き方です。生活軸を明確に持っており、仕事軸も明確にある場合で、互いに相乗効果をもたらす働き方です。
ワーク・ライフ・ブレンド
仕事も生活もわけることなく、融合して、活性化しあう働き方です。生活軸と仕事軸が明確かつ、同じ軸であり、生活は仕事の一部で、仕事は生活の一部という互いが融合している働き方です。
ワーク・ライフ・スプリット
スプリットは「split」=【分離】を意味します。仕事と生活を完全に分離して、仕事はお金のためにガマン。せめて生活で楽しいことをする働き方です。仕事軸と生活軸は、完全に分離し相乗効果は期待していない働き方です。
ワークライフメシー
メシーは「飯」ではありません「メシー」=「messy」で【ごちゃまぜ】を意味します。仕事と生活がごちゃまぜの状態で、どちらうまくいかない状態です。仕事軸も生活軸も自分の軸が見つけられず、言われるがまま働いて、疲労してしまう働き方です。
あなたはどんな働き方をしていますか?
歯科医院での事例1ワーク・ライフ・スプリット
子供がいて、家庭が大事。仕事と生活は完全に区別したい。時間通りに帰りたい。残業はしない。 歯科医院では、よくありますね。
権利を主張し、組織として仲間としての愛情を感じられない人。 お子さんの体調不良で早退や、欠勤も「仕方がないこと」です。ですが、互いに協力し合うには、自分の権利ばかりを主張していては、職場の雰囲気も悪くなるばかりです。
しかし、大抵の場合は、自分は職場のことも考えていると主張します。しかし、新しい仕事を嫌がったり協力的ではない場合が多いです。
歯科医院での事例2ワーク・ライフ・スプリット
仕事は仕事、生活は生活。自分のプライベートのことは話したくないし、先輩とも仲良くする意味が分からない。自分の仕事が終わったらすぐに帰りたい。
これも新人DHにあるあるです。 この場合は、働くとはどういうことか、仕事とはどういうものかを深く考えていない場合もあります。
医院のメンバーにはどんなタイプの人がいますか?
歯科衛生士としてできること
ワーク・ライフ・バランスを考える時、ひとりひとりの働き方としては、今の働き方を見直したり、仕事と生活を分けるかどうかを考える前に、振り返って欲しいことは、
①自分自身が大切にしたい軸があるかどうか?
②その軸を基に生きているかどうか?
③医療人としての患者への思いがあるかどうか?ここが大切なのだと思います。
医院としてできること
そして、組織を作るトップの人は、自医院がどのような人の集まる組織にしたいのかを明確にし、それをメンバーに伝えることが大切です。
①新入社員採用の時、どんな働き方を目指しているのか?をヒアリングします。
②当医院ではこんな働き方をみんなで目指していると伝え、同意してもらえるかヒアリングします。
③ 産休制度を導入して、復帰してくるメンバーに対して、医院の考えている「バランス」を伝えているかどうか?バランスについて働き方を明確に提示する。
医院の考えを持ち、組織として働きやすい環境を整えて行くためにも働き方について面談をすることも必要なことですね。
まとめ
今、医院には、院長の考えや医院の考え方に共感して、長く働いているメンバーがいるはずです。そのメンバーを守るためにも、 ワーク・ライフ・バランスについて明確にしておくことが 大切だと考えています。