拡大鏡は、ルーペ、テレスコープ、マイクロスコープなどさまざまな拡大視野があります。歯科衛生士が使用する理由の一つに、歯科衛生士は能率的に施術を行うためというものがあります。歯科衛生士が拡大鏡を使うメリットについてまとめてみました。
拡大鏡を使う5つのメリット
❶ スキルアップ
大きく拡大された視野では、キュレットの角度や歯肉への接触もみることができます。キュレット操作が正しく行えているかどうかが見えるので、患者さんに痛みを与えない施術を提供することができます。その他にも、超音波スケーラのチップの当て方や、PMTCやPTCの際にもスキルアップに導いてくれます。
❷ 能率アップ
限られた時間の中で、能率的に施術が行えるようになります。みなさんは、1日に何人の患者さんを診ているでしょうか?私たち歯科衛生士は限られた時間の中で、どの患者さんにもその患者さんに 合った、質の高い施術を行うことが求められています。 ただ、時間内に効率的に「こなす」のではなく、限られた時間の中で能率的に、いかに精度の高い施術を行えるのかが、求められいます。 歯肉の炎症が落ち着かない患者さんで、補綴物の余剰セメントが取りきれてなかったケースなども見つかり、拡大視野での確実な セメント除去も行っています。
見えるからこそ、「これは歯石かな?プラークかな?う蝕かな?ステインかな?」と考えたり、悩んだりする 時間が圧倒的に減り、精度の高い施術を行うことができるようになります。よくみえないとみえない部分を想像したり、考えたりして判断に時間がかかりますが、拡大鏡を使用することで視覚情報が多くなり、適切な処置が反射的にできるようになります。
❸ 診査力アップ
見えていなかった、インレーの隙間が見えることで、大きなう蝕になる前にアプローチを行うことができます。メインテナンスでは、いかに、リスク部位をサポートできるかが求められています。 そして、予兆をみて、患者さんへ適切な説明とアドバイスができることも歯科衛生士として必要です。
メインテナンスの際に、脱灰しそうな歯面をみることができたり、歯肉の炎症が起こりそうな部位を確認することができます。 炎症が起こってから症状をみれるのは当たり前で、その前にいかに未然に予防することができるアドバイスを行えるかが大切です。
❹ 患者さんとの信頼関係
限られた時間の中で細心の注意を払いながら、能率よく施術を行う姿は、患者さんにとっても、安心感や信頼感につながります。あなたに診てもらいたいと言って頂けたり、歯石とりがこんなに痛みを感じなかったのは始めてと、感謝されたりすることが増えたのも、拡大視野での施術を始めてからだと思います。
見えているからこそ、歯肉を傷つけず、痛みのない施術をすることが可能になります。その結果、患者さんとの信頼関係も構築でき、メイン テナンスへも継続して通ってくださっています。
❺ 仕事への姿勢の変化
精度の高い仕事をすることで、より一層、自分の仕事にも責任をもち、誇りを持てるようになったと思っています。
拡大視野が、自分自身の仕事への姿勢や、考え方も変えてくれていると感じています。